第2回Asia meets Asia '98
5カ国からの演劇人たちが集い、アジアの現在を突き合わせる劇的交流 5Days
●東京開催 1998年11月20日ー24日
●仙台開催 
1998年11月26日ー27日
ごあいさつAsia meets Asia は「現代演劇を通したアジアにおける国際交流の場の創造」を目指す活動です。
昨今、国際化という時代の流れの中で、海外の現代演劇が日本で紹介される機会も多くなってきましたが、たんに公演をするだけ、見るだけではなく、じかに言葉を交わし合うような交流という点では、なかなかその機会を持つことは少ないように思います。
この度の活動におきましては<参加者が相互に公演をし、見合い、意見を交わ、そしてその過程に観客も参加するという>直接的な出合いの場を創り出そうとします。
この忙しい東京のど真ん中ですが、午後から公演を開始(1日4本の連続上演)し、それぞれの舞台を観て、夜は食べたり飲んだりしながらの自由な対話を楽しむ、いわば半日キャンプのような時間を準備します。いささかの体力勝負となりそうですが、是非、それぞれの公演を同時に見て、アジアの“現在”を一緒に呼吸して頂ければと思います。また公演日程の前後には、レクチャーやワークショップを行い相互の理解を深めます。
第一回は昨年、韓国、香港、日本からの3劇団により行われ、その新鮮な出合いに、多方面からのご好評を頂きました。この成果をもとに本年は、参加劇団と会場が増えることとなり、当実行委員会主催による<Asia meets Asia'98>を、来る11月20日より開催する運びとなりました。
前回参加劇団に加え、今回は、マレーシアとインドからの劇団が参加します。現代演劇としては、両国の劇団による東京公演は初めてとなります。また日本からは若手の劇団が参加、“隣人”たちへの新鮮な関心を呼び起こします。


アジアと日本の計8劇団が2会場に分かれて開催する5日間のAsiameetsAsia'98。演劇という共通項に立ちながらも、個々の舞台への関わり方は微妙に、大胆に異なるかも知れません。また、自らのアイデンティティをそれぞれが何処に求めようとしているのか。近くても見えない、見なかった、周囲の多様な<現実>が響き合ってくることが楽しみです。

Asia meets Asia は、アーティスト自身が主体となり、国境や立場を越えて相互に呼び掛け合いながら創造していく、非営利を目的とした、手作りの活動です。
動き出したばかりの活動ですが、21世紀に向けて“隣人”たちとの信頼と新たな相互関係を築いていく場になりますことを願います。
東京開催 
1.日時 1998年11月20日ー24日
2.会場 プロト・シアター/江古田ストアハウス
3.参加劇団
     演目
(海外4劇団・日本4劇団:計8劇団)  
  a.  Crash
--『五十年蟲症』
Hong Kong FiftyYearsBugs
中国 香港
  b. 商品劇場 The Cormodity Theater
--
『マデュバイ小学校奪取』
日本 東京
  c. オルタナティブリビングシアターAlternative Living Theater
--
『第3戦争』THIRD-WAR
インド カルカッタ
  d. DA・M
--『真っ昼間の地平線』
日本 東京
  e. 箪箪表演工程 Dan Dan Theatre Production
--『Aku』
マレーシア
クアラルンプール
  f. ムーニング Moonig 
--
『しけた駅のしけた改札』
日本 東京
  g. 劇団』 Castle Theatre 
--
『正祖大王』
韓国 水原
  h. ストアハウスカンパニー STORE HOUSE Company
--『箱
日本 東京
 
4.活動内容 公演
  レクチャー&オープニングParty
各国参加劇団代表者による自国演劇事情の報告と自劇団活動の紹介、及び観客との質疑応答。
 
  ワークショップ
アジアからの参加劇団による交流ワークショップ
 
  交流会
毎夜公演終了後、交流会と称してのフリーディスカッション(飲み会)
 
5.日程
1998年11月   2:00 3:30   6:00 7:30 9:00〜10:00頃

20fri.

P会場       レクチャー&オープニングParty
S会場  

21sat.

P会場

A

B

休憩

 C 

  D  

交流会  

S会場

E

F

休憩

 G  

H

交流会

22sun.

P会場

C

D

休憩

 A 

B

交流会

S会場

G

H

休憩

E

F

交流会

23mon.

P会場

B

C

休憩

D

A

交流会

S会場

F

E

休憩

H

G

交流会

24tue.

P会場

 

S会場

ワークショップ

休憩

フェアウェルParty

    ※A〜Gは参加劇団による公演(下記参照
6.チケット 〔前売り・当日共〕
1本券     ¥2500−
4本共通券  ¥6000−
8本共通券  ¥10000−(*レクチャー &ワークショップ &パーティ参加券を含みます。)
(※共通券は、日時、会場を問わず自由な組み合わせでご覧いただけます。)
・レクチャー&オープニングパーティ参加券  ¥1000−
・ワークショップ&フェアウェルパーティ参加券 ¥1000−

【チケット】
・チケットぴあ      03-5237-9999
・チケットセゾン    03-3250-9999
・各劇場
【予約・問い合わせ】
・プロト・シアター  03-3368-0490
・ストアハウス    03-3954-7246
 
7.スタッフ
写真 宮内勝
協力 井上二郎 真篠剛 こらぼれ・すたっふ 鈴木清文 吉井仁志 中川いづみ 
鈴木良子 宋美沙
会場スタッフ 古屋治男 千田実(CHIDA OFFICE)
宣伝美術 前田成明 高森ゆかり 
SpecialThanks 岸本一郎(in N.Y) 羽月雅人
機材協力 東放学園
撮影 加藤貴峯
後援 大韓民国大使館韓国文化院 インド大使館   マレイシア大使館
協賛 トヨタ自動車株式会社 WASTE BUSTER inc. (有)S.T.S.
 〔社〕企業メセナ協議会認定
 
助成 国際交流基金   (財)東京都歴史文化財団 
制作 DA・M ストアハウス
企画・主催 <Asia meets Asia'98>実行委員会 木村真悟 
  金京媛 竹田賢一 龍昇 大橋宏
 
 
お知らせ
▼支援会員募集 Asia meets Asia では、当活動の趣旨にご賛同の上、ご支援下さる方々を幅広く募集して おります。ご支援頂けました方々には、当日パンフレットにお名前を記載させて頂きます。 またAsia meets Asia'98の活動報告書をお送りいたします。
▼ボランティア・スタッフ募集 Asia meets Asia'98では当活動の期間中、会場整理及び交流会のお手伝いをして頂ける<会場スタッフ>を募集しております。また、交流会でのアジアからの参加者と観客の皆様とのコミュニケーションを少しでも助けていただける<通訳スタッフ>(英語・中国語・韓国語)も同時募集中です。会場スタッフは年齢・経験・国籍・男女を問いません。あなたの熱意だけが条件です。通訳スタッフは、ほんの少し話せる人でも大歓迎!どちらも奮ってのご応募をお待ちしております。
募集締切り:ボランティアスタッフ希望の方は、11月14日(土)までに事務局までお問い合わせ下さい。
 

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【仙台開催】(仙台演劇祭'98特別企画)
1.日時 1998年11月26日〜27日
2.会場 仙台青年文化センター
3.参加劇団・演目 ・ 撞 Crash 
  
『五十年蟲症』・・・香港
・オルタナティブリビングシアター Alternative Living Theater
 
 『第3戦争』・・インド
4.活動内容 @公演 (26日)
Aワークショップ (27日)
B交流会 (27日)
共同主催・協力 仙台演劇人フォーラム/Theatre Group"OCT/PASS"





     
 

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【公演詳細】

A 撞 『五十年蟲症』
  Crash  Hong Kong Fifty Years Bugs 〔Hong Kong CHINA 〕

集団創作 出演:陳玉華 朱秀文 秦婉芬 許朗養 駱竟才 狂是漢 譚萬基

"Crash" は、香港の社会運動に文化的な面で大きな力を発揮してきた演劇人たちによる新
しいアンサンブルです。今回公演では、自らの半世紀をもとに人類の再生を21世紀に向け
て願おうとします。秘密のコードは“It's you" ・・・。何かの声を聞き、貴方の耳はこ
そばゆくなるでしょう。そして何百万もの変化の兆しは物語を暗黒の穴に導いていきます
。そこでは何事も起こりうる・・・・・


B 商品劇場 『マデュバイ小学校奪取』 
  The Cormodity Theater "The Seizure of the school of Madhubai”〔Tokyo JAPAN 〕

キャスト:掘尾暁子 八反田勝就 樋口真木 作/エレーヌ・シクスー
訳:松本伊瑳子・如月小春 演出/大岡淳 音楽/河崎純 照明/THEATORONIC
制作/宋美沙 藤田伸一 協力/NOISE  世田谷パブリックシアター 北文美子

92年に結成された商品劇場は、主宰・大岡淳の演出作品上演の活動の中心に据える演劇制
作ユニット。演劇を「西洋化」の道具とう役割から解放し、「近代化」を推進した深層エ
ネルギーに触れる媒体と再定義して、ヨーロッパ周辺部の諸文化に範を仰いだ作品をつく
り続けてきた。『マデュバイ小学校奪取』は、フランスのポストモダン・フェミニズム理
論家エレーヌ・シクスーが、インドの女盗賊プーラン・デヴィを主人公にして描いた戯曲
の上演である。

  

C オルタナティブ・リビング・シアター 『第3戦争』 〔ウエスト ベンガル インド〕
Alternative Living Theater "THIRD ・WAR ”       [West Bengal INDIA]

原案・演出・音楽 : プロビール グハ
出演 : シリマティ チャクラバルディ/スーディプタ クンル/
    シブ シャンカールサハ/タパン ダス

劇団主宰者であるProbir Guha (1947生)は、西ベンガル地方を中心に、新しい理想や人
間精神の変革を目指し、商業主義、地方自治主義、偶像崇拝、政治的無関心等に反対する
立場で常に社会と深く関わりあう創作活動を続けている。Alternative Living Theaterは
1991年設立。リハーサルは、時に屋外の観客の前で即興的に行われ、激しい動きや声、歌
によりメタファーが具体化される。その意味で「開かれた、生きた演劇」なのだ。またこ
の間、グハは、世界各国にて有数な演出家との共同作業やワークショップも手掛けている。


D DA・M 『真っ昼間の地平線〜Daydream Horizon Impro. 』〔東京・日本〕
DA・M Theater Daydream Horizon Impro.

テキスト/集団創作 演出/大橋宏 音楽/竹田賢一 舞台美術/吉川聡一 山崎久美子
出演/サキ 佐藤照 渡部美保 八重樫聖
  
利賀演劇祭参加、米国人との共同公演を経て、1988年より<プロト・シアター>を拠点に
独自の創作活動を展開。演劇の物語性やテーマ性を排し、断片的な行為やイメージの構成
により揺れ動く生そのもののエネルギーを実現しようとする。近年、国内外のフェスティ
バルに参加。即興行為の発掘・組織化へと進み、始源性と今日性の融合する作品創作を追
求する/「情報が氾濫し、全てがあからさまに見えてくる今、そこにうっすらとひろがる
空白を感じる」。今回は20世紀に発せられた言葉の再蒐集から準備を開始します。
 

E 單單表演工程 『三代』 〔クアラルンプール マレイシア〕
Dan Dan Theater Production Generations 〔Kuala Lumpur, Malaysia〕

演出/孫春美 作/孫春美+覃月蓉 舞台監督・照明/羅國文 美術/賀世平
効果/陳家健  出演/覃月蓉

1992年4 月、幾位芸術学院演劇科の卒業生と教師によって旗揚げされた單單表演工程は、
マレーシアの乏しい演劇環境下にありながらも、断えず演劇に新しい活力を注ぎながら、
様々な形態の公演を精力的に行い、各方面から多くの称賛を得ている。リーダーのスン・
チョン・ミーは、マレー大学、地方のテレビ局での演劇講師やコラム執筆をする傍ら、現
在マレーシア舞台芸術についての比較論をまとめている。今回の『三代』では過去3代に
わたる女性の姿を通して、マレーシアの歴史と人間の幸福とは何かを問いかける・・・

 

F ムーニング 『しけた駅のしけた改札』 〔東京・日本〕
 MOONING A shabby ticket gate of a shabby station 〔Tokyo JAPAN 〕

出演/瀬戸純一郎 鷲尾敬子 十河政幸 会田京子
構成・演出/小林真 照明プラン/和田典夫 装置プラン/藤田康明 舞台監督/古屋治男

ムーニングは、1989年に小林真、瀬戸純一郎、鷲尾敬子の3名で結成された。近年、「音
のある風景劇」と題して、台詞を省き、俳優の動きと音楽のイメージによって、短いシチ
ュエーションを紡いでいくという表現方法を試みている。新作「しけた駅のしけた改札」
では、ある小さな駅を舞台に、暇な駅員と、いろいろな思いを抱きながらしけた駅のしけ
た改札を利用する人々の出合いと別れの風景を、様々な音楽にのせて描く。

 

G 劇団 城  『正祖大王』 〔水原・韓国〕
Castle Theater The great King of Jung-Jo     〔Suwon ・South Korea 〕

演出/金聖悦 企画/元致聖 記録/李蓮變 音響/李京雲
出演/呉世浩 呉柄暾 金泰敏 成在勲 表秀勲 鄭鐘福 李東奎 金順石 辛東勲

1983年、演出家金聖悦を中心に、ソウル近郊の水原市を拠点に活動を開始。演劇の現代的
発展を模索する新しい形式美を追求しつつ、地域の歴史的素材の現代化を通して自国の文
化的アイデンティティを問う作品を創り続けている。今回作品『閑中録』は朝鮮時代の激
しい政争に翻弄された父子の悲劇を、母(女性)の視点から描きだす。狭い暗闇に響く父
母を呼ぶ子の叫びは「サドセジャ」の物語として今も人々の心に残る・・・


 

H ストアハウス・カンパニー 『箱』〔東京・日本〕
STORE HOUSE Company   Cardboard Box           〔Tokyo ・Japan 〕

台本・演出 木村真悟 出演/伊澤知恵 井原美智子 竹内修 中原ゆかり 林崎千恵
真篠剛 武藤光司 村山奈月 舞台美術/古寄純嗣 照明/CHIDA OFFICE 衣装/木村紀子

1995年、木村真悟が16年間主宰し、台本・演出を手掛けた劇団七転舎を解散し、公演毎に
出演者を募集・選定し、ワークショップを経て公演を行う劇創作集団として設立。主宰す
る木村真悟は1984に設けたアトリエを94年に本格的な小劇場『江古田ストアハウス』に改
装。“劇場から劇を発想すること”を目標に劇場業を始動。プロデュース公演、提携公演
の企画・制作に携わる。一方、ストアハウス演劇研究所を主宰。研究生の指導、一般参加
者のワークショップ等を行っている。